香港「西九龍文化地区」を軸にアートで巡る西九龍モデルルート

公開日 : 2022年03月24日
最終更新 :
西九龍で刺激的なアート体験を楽しもう
西九龍で刺激的なアート体験を楽しもう

年々発展を遂げる西九龍(ウエストカオルーン)エリア。近年では「西九龍文化地区」の登場により、「西九龍=アートエリア」というイメージが強まっています。そこで、アートな要素をたっぷり詰め込んだ西九龍満喫コースを提案します。

10:30 「アートパーク(藝術公園)」を散歩

10:30 「アートパーク(藝術公園)」を散歩
ビクトリア・ハーバーを独り占め!

九龍半島の西側、ビクトリア・ハーバーに突き出す形の西九龍。その先端に広がっている「アートパーク(藝術公園)」は、美しい芝生と海辺には遊歩道が設けられていて、朝の散歩にはぴったりの気持ちの良い場所です。また、公園内では様々な野外イベントが開催されることもあり、タイミングが合えば、展示やライブが楽しめるかもしれません。

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・所在地:  West Kowloon Cultural District, 18 Museum Drive, Kowloon
・URL :  http://www.westkowloon.hk/en/artpark

11:00 芸術施設「Freespace(自由空間)」、「M+」へ

11:00 芸術施設「Freespace(自由空間)」、「M+」へ
「M+」の外観は巨大スクリーンとなっている

公園から海を背に北上すると現代アートパフォーマンスのための施設「Freespace(自由空間)」と、アジア最大級のビジュアルカルチャーをテーマにした美術館「M+」があります。6万5000平方メートルもの面積を誇るこの美術館には、ビジュアルアート、デザイン、建築、映像を含む作品の展示がされる33のギャラリーがあるほか、屋上庭園やマルチメディアライブラリー、レストラン、映画館などの施設も完備。今最も話題のアート施設のひとつです。

<DATA>
・所在地:  Cultural District, M+, 38 Museum Drive, West Kowloon
・URL: https://mplus.org.hk/en/

12:00 「FAM 囍公館」でモダンなランチ

12:00 「FAM 囍公館」でモダンなランチ
内装も料理もフォトジェニック

お腹が空いたら、「M+」の目と鼻の先にあるレストラン「FAM 囍公館」へ。ここは「食、アート、音楽」を繋ぐことをコンセプトにするレストランで、料理とアートを同時に体験ができるのが魅力です。アール・デコ調の色彩豊かな店内で、見目麗しいモダンチャイニーズのランチを楽しんで。
また、天気のいい日はオープンテラスでビクトリア・ハーバーを180度見渡しながらゆったりできるのも、おすすめポイントのひとつです

<DATA>
・所在地: Unit GF- 01-03, 22 Museum Drive, West Kowloon Cultural District, Kowloon
・URL: https://shop.openvrshop.com/index.php?sid=5de4bb249d01a_fam&sn=fam&lang=en

14:00 近代的なデザインの「戯曲センター」を見学

14:00 近代的なデザインの「戯曲センター」を見学
モダンなデザインが目を引く「戯曲センター」

お腹を満たしたら、次は柯士甸道(オースティン・ロード)を通り、佐敦(ジョーダン)方面へ向かいましょう。広東道(カントン・ロード)まで歩くと、曲線が波打つモダンな建物が。美しいデザインのこの建物は京劇(中国オペラ)専門の劇場として登場した「戯曲中心(戯曲センター)」です。エントランスを入ると開放的な吹き抜けに圧倒されます。館内には約1000人を収容する大劇場をはじめ、飲茶を楽しみながら観劇ができる「茶館劇場」などもあり、気軽に伝統文化に触れられるようになっています。

<DATA>
・所在地:  88 Austin Road West, Tsim Sha Tsui
・URL: https://www.westkowloon.hk/en/xiqucentre#overview

14:30 「標記麻雀」で職人の絵付け技術に触れる

14:30 「標記麻雀」で職人の絵付け技術に触れる
麻雀彫刻のワークショップも開催しているそう

手掘りの麻雀牌は失われつつある伝統芸術のひとつ。佐敦道(ジョーダン・ロード)沿いにある「標記麻雀」では、麻雀牌に絵付けを施す技術を見られます。職人技が光る店主の牌への絵付けキャリアは50年を越えるそうで、先代から店と技術を受け継いで以来、技術を磨き続けているのだとか。牌に数字や絵柄を刻み込み、鮮やかな色を付けていく…その一連の迷いのない動きに思わず目が釘付けになります。

<DATA>
・所在地: G/F, 26F Jordan Road, Jordan

15:00 上海街のシュールレアリズムの壁画作品

15:00 上海街のシュールレアリズムの壁画作品
古い住宅ビル「唐樓(トンラウ)」の右側面に描かれています

次の目的地は道具街として知られる油麻地(ヤウマテイ)の「上海街(シャンハイ・ストリート)」にある壁画アート。標記麻雀からはまず観光名所である廟街(テンプル・ストリート、通称:男人街)を通り、天后廟を過ぎたら上海街へ行くルートがおすすめです。
歴史ある建物が集まる上海街に突如現れるシュールレアリズムの壁画アートはとても目を引きます。これは、イタリア人アーティストであるピクセル・パンチョ氏が2017年に手掛けたもの。花の茂みに埋もれた自転車と、その上に立つロボットのような男。彼が着るベストの柄は、なんとエアコンの室外機。絵の下に書かれた中国の古典の詩の文句にもあるように、地球を大切にするよう呼びかけているのです。

<DATA>
・所在地: 342 Shanghai Street, Yau Ma Tei

15:15 歴史的建造物「油麻地戲院」を見学

15:15 歴史的建造物「油麻地戲院」を見学
アール・デコを取り入れた歴史を感じる建物

壁画から徒歩1分のところにある「油麻地戲院(ヤウマテイ・シアター)」は、先ほどのモダンな「戯曲センター」とは対照的に、歴史に裏打ちされた美しさを感じられる建物。1930年頃に建てられたもので、九龍で唯一現存する第二次世界大戦前から残る貴重な劇場です。中国の伝統的な造りにアール・デコの要素が混ざり合ったエキゾチックな雰囲気が魅力。2012年にリニューアルされ、再注目されるようになりました。
ここでは、舞台を上演するだけでなく、中国の伝統的な戯曲の文化振興を目的に、新しい才能や新進の劇団に場所を提供するなど、文化の継承・発展に大きく貢献しています。

<DATA>
・所在地: 6 Waterloo Road, Yau Ma Tei
・URL:  https://www.lcsd.gov.hk/en/ymtt/

16:00 「Picky」でアートなティータイム

16:00 「Picky」でアートなティータイム
新旧の要素交わる「Picky • Coffee & Tea」

歩きまわってそろそろ一息つきたいと思う頃。休憩場所としておすすめなのが「PICKY」です。歴史的建造物をアートなブティックホテルに改装した「東南樓藝術酒店(Tung Nam Lou Art Hotel)」の5階にあるこのカフェでは、アート作品やデザイン性の高いインテリアに囲まれたティータイムを楽しめます。テラス席も設けられていて、そこからは古い唐樓が並ぶ街並みを一望できます。

<DATA>
・所在地:  5/F, 68 Portland Street, Yau Ma Tei
・URL: https://tungnamlou.com/

17:00 アートスペース「The Muse」をのぞく

17:00 アートスペース「The Muse」をのぞく
「Hotel Stage」の中にあるアート・スポット

一息ついたら今度は九龍のメインストリートであるネイザンロードを南下し、アートスペース「The Muse」へ。この施設も先ほどの「PICKY」同様、ブティックホテルの中にあります。そのため、まずはホテル「登臺酒店(Hotel Stage)」を目指しましょう。
「The Muse」は、ギャラリー、ブックストア、ワインバーの3つのコーナーに分かれています。ギャラリースペースでは国内外のアーティストを積極的に迎え入れ、展示やパフォーマンスを披露。ブックストアでは主にアート系の書籍を揃えていて、見ているだけで時間が経つのを忘れそうです。

<DATA>
・所在地:  B/F, Hotel Stage, 1 Chi Wo Street, Jordan
・URL:  https://www.hotelstage.com/the-muse/

18:00 ドラマチックな「廟街夜市」で海鮮ディナー

18:00 ドラマチックな「廟街夜市」で海鮮ディナー
夜になると賑わいを増す廟街

アートな要素は施設以外にも。観光スポットとして人気の廟街(テンプル・ストリート、通称:男人街)は、ドラマチックな風景が魅力。よく映画やドラマなどの撮影でも使われる場所です。そんな絵になる場所で、夕食はいかがでしょう?この通りにはオープンエアで食事ができる海鮮のお店が並んでいて、香港名物のシャコやホタテ、蟹などの料理が楽しめます。

20:00 西九龍の夜景を望むバーへ

20:00 西九龍の夜景を望むバーへ
「Horizonte Lounge」からの西九龍の夜景

食後の締めはやはり香港の夜景です。ただ、定番のビクトリア・ハーバーの夜景ではなく、せっかくなので西九龍の夜景を。「木的地酒店(Hotel Madera Hong Kong)」にあるバー「HORIZONTE LOUNGE」は、西九龍の夜景を一望できる絶好の場所。ICCが聳える西九龍や、ビルがひしめく旺角(モンコック)の夜景を眺めながらお酒を楽しんで。

<DATA>
・所在地: 29/F, 1 Cheong Lok Street, Jordan, Kowloon, Hong Kong
・URL: https://www.maderagroup.com/hotel_madera/

※当記事は、2022年3月24日現在のものです

〈地球の歩き方編集室よりお願い〉
2022年3月24日現在、国によってはいまだ観光目的の渡航が難しい状況です。『地球の歩き方 ニュース&レポート』では、近い将来に旅したい場所として世界の観光記事を発信しています。渡航についての最新情報は下記などを参考に必ず各自でご確認ください。
◎外務省海外安全ホームページ
・URL: https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
◎厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
・URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
旅したい場所の情報を入手して準備をととのえ、新型コロナウイルス収束後はぜひお出かけください。安心して旅に出られる日が一日も早く来ることを心より願っています。

筆者

地球の歩き方観光マーケティング事業部

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