中学入試の本番まであと少しとなりました。年末年始は学校も休みになり、生活リズムも崩れがちです。体をほぐし緊張をやわらげるストレッチと、体調を整える食事を専門家に聞きました。受験に関係ない人も、寒さで運動不足になるこの時期、試してみてください。【野本みどり】
◆30分に1回体ほぐそう 東海大学の有賀誠司教授
東海大学健康学部教授の有賀誠司さんは、健康作りに役立つ運動を研究しています。ストレッチは、30分を目安にするのが理想とのことです。
椅子に座って勉強していると、首や肩が痛くなってきませんか。「顔を前に出して、真下を見ていると、頭を支えるために筋肉が疲れやすくなります」と有賀さん。座り方が悪いと、腰が丸まったり、体が右や左に傾いたりします。
首のストレッチをしましょう。首の後ろに両手をあて、手の重みで頭をゆっくり下へ向け、首の後ろを伸ばし、10~20秒ほど止めます=イラスト(1)。伸ばすときにゆっくり息をはき、はき切ることで、リラックス効果を高めます。次に右の手のひらを、頭の上から耳の上にのせ、腕の重みで右に倒します=イラスト(2)。左側も行います。
肩から背中を伸ばすストレッチです。頭の上で両手を組んで、手を伸ばします=イラスト(3)。両腕をまっすぐ上に伸ばします。次に、ひじを伸ばし両手を前で組み、肩甲骨を左右に開くようにして肩を前に出します=イラスト(4)。
腰を伸ばします。椅子に座って、両手で内側から両足首をさわり、背中を丸めます=イラスト(5)。足首でなくひざをさわってもOKです。
会場でやる気アップ
手のひらを肩にあて、ひじを大きく回します。後ろ回し、前回し、両方してください。息を吸いながら1回、はきながら1回、ひじはできるだけ高く、大きくゆっくり回します。血流がよくなり、やる気が出ます。
席についたら、息を吸いながら「1、2、3」で肩を上げ、ストンと肩を下ろします。5回ほどすると、リラックスできて心が落ち着きます。
これらの運動は、スポーツ選手もしているそうですよ。
◆食生活のリズム戻そう 料理家Yoshiさん
Yoshiさんは、家庭に出張して料理を作る会社「シェアダイン」で活躍する料理家です。今年3月までは、東京都内の小学校で、給食の調理責任者「料理長」を務めていました。小学生の脳と体にいい「英才食育」にも力を入れています。
生活の中心が塾になり、夕飯の時間が遅くなったり、朝食が取れなかったりする人もいるでしょう。「食生活のリズムを戻したいですね」とYoshiさん。時間が決まっていて栄養のバランスが取れている学校の給食は「食のリズムを保てるタイムキーパーの役割を果たしています」と言います。
年末年始は学校が休みですが、できれば給食と同じ時間に昼食を取るのが理想です。食欲がない時は、「無理しない程度に、一口でも食べてください」。リズムを変えないことが大切です。おかずだけでなく、ご飯などの炭水化物を取ることも大切です。「脳をしっかり動かすには、グリコーゲンのもととなる炭水化物が必要です」
とっておきのレシピを教えてくれました。豚のヒレ肉は低脂質で、胃にもたれないそうです。豚肉に含まれるビタミンB1は自律神経を整えます。カレーのスパイスで食欲が出て、脳が活性化されます。ヨーグルトでカルシウムも取れます。肉の代わりにサーモンにしてもおいしいです。
タンドリーポークステーキ 材料(4人分)
豚ヒレ肉ブロック500グラム、おろしニンニク3グラム、おろしショウガ3グラム、ヨーグルト70グラム、ケチャップ30グラム、カレー粉小さじ2(お好みで調節を)、マーマレードジャム20グラム、タマネギ4分の1個、塩・こしょう少々
◆作り方
(1)密閉ポリ袋にすべての調味料と、すりおろしたタマネギを入れて袋ごと手でもみ、よく混ぜる。
(2)豚ヒレ肉を厚さ1センチメートルほどにカットし、薄くたたき伸ばして(1)に入れ、両面にまんべんなく付くようにしっかり混ぜる。
(3)冷蔵庫で10分ねかせる。1日ねかせるとさらに味がなじむ。
(4)フライパンやグリルで焼いて完成。レンジ調理の場合は、600ワットで5分加熱する。
※夜食には、タンドリーポークバーガーがおすすめです。